養行寺(ようぎょうじ)はJR前橋駅から北東へ400~500メートルのところにある法華宗の寺院です。
境内は静かで、きれいに整備されています
山門を入ってすぐの右手の築山のなかに静御前墓が立っています。
手前の石標には「静御前の塔」と刻まれています。
すらっとした端正な感じの五輪塔です。墓というよりは供養塔のようにも思われます。
特に解説板もなく、ひっそりと“佇んでいる姿”が印象的でした。
養行寺の山門 |
養行寺の本堂 |
静御前墓 |
静御前墓 |
鎌倉時代、北条時頼の頃、この地に佐野源左衛門常世が住んでいた。
時頼が旅僧に身をやつし行脚の途中、大雪に遭い、領地を横領され零落して、貧しいい暮らしの常世の家に一夜の宿を乞いた。その夜、燃やすものがなくて、鉢植えの梅、桜、松を燃やして温めもてなした。その時に常世が鎌倉に対する忠節心を旅僧に語った。
その後、鎌倉から召集がかかり、常世は旅僧に語った通り、痩せ馬に乗り、破れた鎧をつけ、さびた長刀を持って、鎌倉に駆けつけた。
時頼は常世の忠節を誉め、所領を返させるとともに、梅、桜、松にちなむ三箇の庄を与えた。~常世神社の説明板より常世神社は非常にこじんまりしていますが、よく整備されていて、 地元から大事にされているように感じました。
鳥居 |
本殿 |
説明板(鉢木の場面) |
説明板 |
謡曲史跡保存会の駒札 |
本殿内部 |
歌碑 |
この定家の歌の本歌は、万葉集長忌寸奥麻呂の「苦しくも降りくる雨か三輪が崎佐野のわたりに家もあらなくに」です。
三輪が崎とは、大和国三輪山の突き出た所(謡曲ではこの説をとっています)と紀伊国三輪崎町の二つの説があるそうで、いずれにしてもこの高崎の地とは直接は関連がないそうです。~参照:佐野謙太郎『謡曲大観』明治書院鳥居、拝殿、本殿ともに朱できれいに塗られていて、特に本殿の彫刻は小ぶりながらも一見の価値があります。
鳥居 |
拝殿 |
扁額 |
本殿 |
本殿 |
社宝の説明板 |
周辺案内図 |
本殿 |
万葉歌碑 |
佐野の船橋にまつわる伝説がある。烏川をはさんで二つの村があり、それぞれの村の長者の息子と娘が恋仲となり、夜に船橋を渡って人目を忍んで会っていた。しかし、それを知った親が、ある夜、橋板をはずし二人が会えないようにしたが、それを知らない若い二人が船橋を渡ろうとして、川に落ちて死んでしまったというものである。謡曲「船橋」はこの伝説を素材として作られたものである。~高崎市教育委員会の解説板より歌碑の隣には、謡曲史跡保存会の「謡曲「船橋」と佐野の渡」の駒札が立っています。
佐野の渡し歌碑 |
佐野の渡し歌碑(裏面) |
解説板 |
謡曲史跡保存会の駒札 |
頼政公は、平安末期に、源家の正統に生まれた武将にして歌人である。白河法皇に擢んでられて兵庫頭となり、保元、平治の乱に功をたてた。後に剃髪して世に源三位入道と称す。
後年、以仁王を奉じて平氏の追討を図り、事破れて治承4年(1180)宇治平等院で自刃した。家集『源三位頼政卿集』がある。又、宮中で鵺(ぬえ)を退治した話は有名である。~高崎観光協会由緒書よりひっそりとした境内から、眼下に烏川、遠くには妙義山が見えます。
入口の石標 |
鳥居 |
本殿 |
扁額 |
狛犬 |
狛犬 |
由緒書 |
神社移転記念碑 |
鼠ヶ関には関所址が2ヶ所ある。県境にある古代の関所址と、国道7号線の鼠ヶ関交差点の角(鼠ヶ関字関)にある慶長年間(1596~1614)から明治5年(1872)まで設置されていた近世の関所址である。このブログで関心があるのは、古代の関所の方です。
鼠ヶ関は、勿来関、白河関と並んで奥羽三大関門の一つとされていた。この鼠ヶ関が文献に現れる最も古いものは、能因法師の歌枕の「ねずみの関」であり、10世紀ころには文人や旅人に親しまれていた。
大正13年(1924)近世の関所を主たる対象に、内務省より「史蹟念珠関址」として指定をうけ、それ以後この名称が古代から近世に至る関所名とされてきた。
昭和43年(1968)10月、山形、新潟両県境一帯の発掘調査により古代関所址の存在が確認された。遺跡は、棚列址、建物址、須恵器窯跡、土器製塩址が地下1メートルほどの所に埋蔵されており、関所の軍事施設と高度の生産施設をもつ村の形態を備えていた。
この遺跡の年代は、平安中期から鎌倉初期の10世紀から12世紀にわたっている。これらを総合して「古代鼠ヶ関址および同関戸生産遺跡」と名付けられた。
このように、古代の関所址の貌が明らかになったことから、関にある近世の関所址を「近世念珠関址」とし、「古代鼠ヶ関址」と区別することにした。~鼠ヶ関解説板より鼠ヶ関の海岸近くには、近年建てられた義経が上陸したことを示す石碑が立っている。
古代鼠ヶ関址 |
山形県・新潟県境標 |
近世念珠関址 |
近世念珠関址 |
鼠ヶ関の解説板 |
義経上陸の地碑 |
「義経上陸の地碑」の説明板 |
源義経碑 |
厳島神社 |